初夏の山菜「ミズナ」を味わおう

〜 プロジェクト ひとりでできるもん! 〜
Last Update: 5th, Jur, 2001
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概要

 季節は春から初夏へ。山菜取りシーズンはまだまだ続きます。ワラビの最盛期を過ぎ、梅雨入りしたころ、ミズナが採り頃になります。木苺も盛りのこの季節、2001年6月16日(土)の午後、新潟県三島郡越路町でミズナを採ってきました。この初夏の里山の恵みを簡単な調理をして食べてみたときのメモです。

ミズナについて

 ミズナというと京野菜の「水菜」や「壬生菜」を思い浮かべる人もいるでしょう。これらは、立派に栽培されている菜っ葉の一種です。ここでいうミズナは自然に生えている山菜で、主に茎の部分を食べます。ミズナは俗称で、和名は「ウワバミソウ」です。ミズナは土地によってはミズとも言いいます。表記は平仮名の場合もありますし、「みず菜」と平仮名と漢字という場合もあります。
 水のしたたり落ちるような場所や細い流れに沿って群生していて、日本全土に分布しているようです。ミズナの特徴をつかめば、すぐに見つかりますし、短時間で十分な収穫が得られます。
[小さな沢ぞいの群生の図] [葉を中心にしたミズナの特徴の図]
 葉にはギザギザがあり、互生で、葉柄がなくて花のつぼみなどのコブをはさんで茎についています。茎は、やや赤みをおびていて、根元ほど赤みが強く、やわらかくて透明感があり、毛は生えていません。斜面に生えていることが多いので、地面に対して斜めに立っています。全体の高さは20〜50センチメートルです。

ミズナの採り方

 多年草ですから、根を残しておくことがマナーです。鎌をつかって根元を切るのが一番確実です。今回は鎌を持たずに出かけたので、根元を折るようにして採っていきましたが、皮が丈夫なので、折れても切り離れにくかったです。根が浅くやわらかい土に生えているので、根ごと採れてしまうことがよくありました。そこで、根は埋め戻しておくことにしました。
 山菜について書かれたある本には、群生しているので束ねて抜き取り、根際からナイフで切り離し、根の部分は戻しておくという方法が紹介されていました。
 葉も食べられるのですが、茎を食べる場合がほとんどですので、ちょっと開けた場所で、葉をもぎとってかさを減らすとよいでしょう。もちろん家に帰ってから葉を取ってもよいのですが、生ごみを増やすだけです。葉は自然に帰してやったほうがよいと思いませんか。:-)
[現場で葉を取った図]  

調理をしよう

 生で食べることはないので、まずは茹でます。茹でることさえすれば、あとはお好み次第ということになります。おひたしでもよし、キンピラでもよし、煮物でもよし、工夫次第で美味しく食べることができます。
 皮がかたいので、我が家の場合は、茹でる前に、皮をむいています。皮をむくといっても、根元や真中を折って、軽く引く感じです。この皮むきがミズナを食べるまでに一番手間がかかる部分です。皮も量にすると少なくありませんが、この作業はちょっと野外でやる気にはなれません。:-P
[皮むきをした図]
 調理したものを口にしたときに皮や筋が気にならないのであれば、この面倒な作業は省略してもよいと思われます。今回は、茹でた後にキンピラにすることにしました。

茹で方

キンピラづくり

 それぞれの好みによって、多少つくり方が違うと思いますが、今回、我が家で作ったものを紹介します。
  1. フライパンに油を引いて、タカノツメ(赤南蛮)を少々入れ、油を熱します。
    [油を熱している図]
  2. ミズナを入れて炒めます。このとき、好みに応じてチクワなども入れます。
  3. 味の素、昆布だし、みりんなどを加ええ、さらに炒めます。
    [だしやみりんを入れて炒めている図]
  4. 醤油、砂糖などで味を調えながら、さらに炒めます。
    [調味料で味を調え、もうすぐ出来上がりの図]

食べてみました

 一言でいえば、とてもおいしかったです。少なくとも、新鮮な山菜の料理ですから。味は、キンピラですから、だしや調味料の味です。 ミズナそのものは、くせもアクもなく、あっさりとしています。ミズナのキンピラの美味さは、ミズナのサクッとした歯ざわりとわずかにぬめりのある食感と調味料が絶妙にマッチしているところにあると思います。
[盛り付けられたキンピラの図]

参考までに

 ミズナは冷凍保存に適しません。山菜のワラビがそうであるように、冷凍にすると食感がまったくそこなわれてしまい、味は変わらないものの、筋っぽさだけを感じる代物になってしまいます。
 長期保存をするためには、生のまま塩漬けにして、食べるときになったら、塩出しをして茹でるところからはじめます。それでも、食感はだいぶ損なわれます。
 季節(初夏)の食べ物として、食べる分だけを採ってくるのが一番よいと思います。

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