五十沢キャンプのハイキングコースを模索しよう
〜 プロジェクト ひとりでできるもん! 〜
Last Update: 17th, Aug, 2001
概要
NISOC(新潟インターネット研究会)のサマーキャンプ2001が、8月25日・26日に新潟県中魚沼郡六日町にある五十沢キャンプ場で行われることになりました。8月25日の日中を有意義に過ごすために、いくつかの試案がだされました。その一つが裏巻機渓谷の渓谷美を満喫しようというハイキングでした。これは、8月16日に、そのハイキングコースを模索してみたときの作者のメモです。
登山道が見つからない
ハイキングコースは牛ヶ岳・巻機山登山の五十沢コースの2合目までを想定しました。ところが、現地入りしてみると、五十沢キャンプ場から「永松林道」ができていて、しかも工事中であり、1997年頃のガイドブックや地図とずいぶん様変わりしていました。このため、まずは本来の登山道を見つけだすことから始まりました。「永松林道」から登山道への表示は極めて不親切なものでした。まずは、登山道を見つけるための奮闘を紹介します。
- 5時15分、五十沢キャンプ場駐車場発。ガイドブックや地図では、駐車場から1キロメートルほど、車を乗り入れられることになっているのですが、駐車場のところで、「これより先は工事中の為、車の通行はできません 永松部落区長」という看板とともに、通行止めのゲートがありました。
- ともかく、「永松林道」の途中か終点に登山道があるに違いないので、しばらくこの舗装道路を進んでみることにしました。しばらく進むと「登山道」の小さな表示があり、立派な「あずまや」がありました。この「あずまや」の裏から登山道があることを最後に知ったのですが、「登山道」の表示は、この林道をさらに進みなさいという感じで示されていました。
- 事実、林道は延々とカーブをくりかえして続いていました。ここで作者は「ははーん、この林道は、永松発電所調整池のある上道までつづくのだな。」と考え、さらに進んでいきました。緩やかな登りなのですが、つづら折の舗装道路で道のりが長いばかりでなく、舗装道路が延々と続いては厳しすぎるハイキングコースになるなあと思いながら足を運んでいきました。それでも、時折、渓谷を眺めることができました。
- 6時15分、立派な建築途上の「管理小屋」に着きました。ちょっと覗いてみると、身体障害者用のトイレもあり、さきほどの「あずまや」の身体障害者専用駐車スペースを考え合わせると、この林道を中心に、新しい観光スポットを作るプロジェクトがあるのだろうと思いました。しかし、現在位置がどこなのか、さっぱり分からないし、大汗をかいてのどがかわいていることもあり、10分程休憩しました。休憩中に、地図とにらめっこしても、現在位置の確信を得ることができなかったので、とりあえず、林道を進んでみることにしました。結果的には、林道をはさんで管理小屋の左手に分かれる砂利道が発電所調整池のある上道につながっていたのでした。
- 6時25分、「管理小屋」発。「管理小屋」から100メートルもしないうちに、林道は工事中の行き止まりでした。安全帽子(ヘルメット)をかぶっていない人は立ち入り禁止といったような表示もありました。はて、困ったと辺りを見渡すと、「管理小屋」の道路をはさんだ向かい側には、芝生の広場や作って間もない登山道がありました。この登山道が本当の登山道につながっているに違いないと変な自信をもって、分かれ道では、高く上っていくほうを選んで進んでいきました。やがて、どうも進むべき方角と反対に道が伸びていることに気づき始めました。しかも、道はゆるやかに下っていきます。しかし、とりあえず、大きく巻きながら本来の登山道につながることを期待して進んでいきました。やがて、この道も工事中となり、7時10分、ついに行き止まりとなりました。しかたなく引き返し、分かれ道では、進むべき方向(谷の奥となる方向)を選んで進んでいきました。すると、「管理小屋」付近まで戻ってしまいました。もうバテバテでした。
- 絶対に本来の登山道はあるはずだ、なんとしても見つけなきゃと、いささか焦りを感じはじめているとき、林道が通行止めとなっている直前に、林道と直交する道を発見しました。直交すると言っても、十字路になっているのではなく、もともとあった細い道を林道が直交して被さっていて、申し訳程度に林道の谷側と山側に、斜めに道をつなげているという感じです。この細い道はよく踏みしめられていて、どうやら本来の登山道のようです。
- 気を取り直して、休憩をはさんで、8時ちょうどに出発。間もなく砂利道の脇に発電所の調整池があり、8時5分には、登山道である証拠にたどり着くことができました。この砂利道は、管理小屋から左手に分かれる砂利道にほかならないのでした。
登山道が見つかりハイキングコースへ
- 8時20分には、「登り尾根」という上道と下道の合流地点に着き、帰りは、ここから下道を降りてみて、ハイキングコースの道を見出そうと思いながら、通過しました。この登山道はよく整備されていて、沢を渡るときのわずかな上り下りはあるものの、ほぼ平坦な道が続き、ハイキングにはもってこいの道です。沢や道の所々から見える渓谷は素晴らしいものがありました。
- 9時5分には、「不動滝」の上に着き、「不動滝」まで降りることができたので、降りてみました。「不動滝」までは急な下りでしたが、5分くらいでつきました。9時20分には標識の地点にもどり、さらに歩みを進めました。間もなく、登山道から「夫婦滝」が見えました。そして、渓谷美は一段と素晴らしくなってきました。
- 不動滝の上の道から歩くこと20分、9時20分には、永松発電所の取水ダムに着きました。ここは牛ヶ岳登山の2合目にあたり、一応の目的地(折り返し地点)です。ダムの堰堤からの眺めは、ダムの構造物がやや邪魔なものの、ポットホール(甌穴)や、滑らかな谷の侵食など、まさに渓谷美そのものでした。
登山は断念
ハイキングの一応の目的地に着きました。二合目からの鎖場を登りきったところの展望が素晴らしいといわれています。どんなところか行ってみたい気持ちがありました。いや、それより作者は、このハイキングコースの下見を兼ねて、あわよくば牛ヶ岳の山頂を目指そうとしていたのです。ダムの堰堤で思案しました。時刻は10時10分。かなり疲れていました。でも、行ける所まで行ってみようと冒険心を出して、鎖場に挑んでみました。10時30分、鎖場の途中で進むことを断念。登山マップによればあと10分で3合目の渡河地点に着いていなくてはなりません。ところが、まだ鎖場を登りきってもいないのです。この後順調に進んだとしても、牛ヶ岳山頂まではあと5時間はかかります。到着は4時をまわることになるでしょう。仮に山頂まで行けたとしても、この厳しい鎖場を暗がりの中で降りることは自殺行為です。ここを今日の山頂にすることが賢明だと考えて、昼食休憩にして、写真を撮って戻ることにしました。
ハイキングコースはつくれるか
だめかな ?
「登り尾根」からの下道の状態と、この道がどこにつながっているのかによって、ハイキングコースがつくれるか否かが決まります。登山をあきらめたので、休憩もとりながら戻りました。12時40分、「登り尾根」を下り始めました。下り始めてすぐに、「こりゃいかんわ」と思いました。急であることは地図の等高線から予想していたのですが、予想以上に急で、ロープが設置してありました。
かつては樹脂製の丸木できちんと階段状に整備されていたらしい道は、かなり荒れていました。昨年秋の落ち葉を踏んだ形跡がなく、小枝も散乱していました。場所によっては踏み痕程度の草薮もありました。この道を下から登るとすれば、ハイキングではなく立派な登山になってしまうと思われました。急な下りが終わった場所に「割石沢下道」の標識がありました。時刻は13時でしたので、20分の急な下りだったわけです。これが登りとなると、30分はかかり、大汗をかくことになってしまいます。
まだ可能性はある
しかし、「登り尾根」から2合目は1時間で楽な道ですから、ここから先いかんによっては、急登30分を覚悟の上でハイキングコースはつくれます。しかも、「魚止滝」の表示もあり、本当の渓谷美はあきらめても、「魚止滝」までのコースはつくれます。ここから「魚止滝」は30分とかからないはずです。
ちょうどここで、中年のカップルのハイカーと出会いました。少し会話を交わしたところ、男の人が言うには、
「五十沢キャンプ場からなんだ。」「渓谷なのに、ハイキングコースは、舗装道路で登っていくだけでつまらないから、登山道に入ってきてみたんだよ。」
この言葉は、作者にとって、五十沢キャンプ場の人から登山道を教えてもらい、登山道はキャンプ場近くから始まっている、と思わせるものでした。ここで本来であれば、「魚止滝」までを下見してから、キャンプ場方向へ行くところです。しかし、早朝から歩き回わってかなり疲れているので、「魚止滝」までの往復がまるで意味がなかったことにならないように、先にキャンプ場方向を目指すことにしました。
道筋には「ミズナ」も生えていて、大きく可能性が広がりました。
ところが...
15分程歩いた13時15分、この道は今朝見た「あずまや」に出たのです。がっかりするとともに、「魚止滝」に行かなくてよかったと思いながら、照り返しで熱い舗装道路の上を30分間、重い足取りでキャンプ場まで歩いたのでした。
事の結末
3時間程度のコースはつくれるが...
往復同じ道で、キャンプ場から舗装道路を30分歩いて、「あずまや」から登山道に入り、「魚止滝」まで行く、というコースは一応できあがることになります。
しかし...
3時間のコースの中に、1時間も舗装道路の林道を歩くのは、渓谷美を楽しみながら、爽やかな時を過ごすことからかけ離れていて、決してお奨めできません。
残された可能性
現在は永松林道が工事中なので、一般車両は乗り入れることができません。しかし、永松林道の工事が完了すれば、「あずまや」からの2時間程度の「魚止滝」へ気持ちのよいハイキングコースとなります。さらには、「管理小屋」からの3時間程度の「不動滝」や「夫婦滝」を含む渓谷美の極致を味わうことのできる素晴らしいハイキングコースとなります。次回、五十沢キャンプ場を利用するときには、ハイキングを絶対に外せないですね。
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