NetBSD/pc98(based on NetBSD 1.2.1) インストールノート 最終更新 1997年 3月 23日 このドキュメントでは、NetBSD/pc98(based on NetBSD 1.2.1)をイン ストールしてから、実際にマルチユーザーモードで動作させるまでの 手順を説明しています。 1. NetBSD/pc98の動作環境 1.2.1 インストールに必要な動作環境 NetBSD/pc98 をインストールする場合、次の物が必要です。 ・フロッピーディスク/ドライブ(1ドライブ以上) インストールディスクは、原則的に2HC(15sec/track, 80 track) フォーマットを使用します。したがって、古いPC98シリーズでも問題 なくインストールする事が出来ます。 ただしkc121.fs は、PCIやPCMCIAといった最新の機能をサポートして いるためにカーネルサイズが大きくなっており、2HCディスクに入り切 りません。そのため、このフロッピーだけは1.44MB(18sec/track, 80 track)でフォーマットされています。古いPC98シリーズでは必要ありま せん。 なお、インストールに使用するフロッピーの枚数は3枚ですので、 あらかじめ準備しておいて下さい。 ・SCSI HDD, IDE HDD, MO など SCSI HDDにインストールする場合、インストールディスクでサ ポートしているSCSI I/Fを使用しないとインストールできません。 PC-9801-55/92 互換 のSCSI I/Fでは、irq, drqは自動認識するの で、MS-DOS等で使用できる設定ならどのような値でも構いません。 バスマスタモードはインストールディスクのカーネルではサポート していない場合が多いので、DMA転送にする方が確実にインストー ル出来る可能性が高いです。 IDE HDDへインストールの場合、I/O アドレスのベースが0x640の もののみ、インストール可能です。EPSON の古いマシンに、これ以 外のアドレスを使用している物があり、このような場合はインストー ルする事が出来ません。 また、HDDは512bytes/secでフォーマットされたもののみインストー ルする事が出来ます。256bytes/secでフォーマットされたHDDを使用 している場合は512bytes/secでフォーマットし直して下さい。 ・NetBSD/pc98 バイナリを格納した媒体 NetBSD/pc98のバイナリを格納した媒体を準備して下さい。MS-DOS 領域に入れておいて、インストール時にMS-DOS領域をマウントする 事や、CD-ROM, MOなどに入れておいてマウントする事も可能です。 また、ネットワークからのインストール(ftp, NFS)も可能です。 ・必要となるイメージファイルについて インストールフロッピーのイメージファイルは、次の通りです。 (1) boot121.fs (2) inst121.fs (3) kc121.fs もしくはkco121.fs boot121.fsとinst121.fsは2HCフォーマットのフロッピーを使用します。 新98(A-MATE/FELLOW以降の機種)では、kc121.fs を使用します。 kc121.fsは、IDE HDD, PCI, PCCARDなど、さまざまなデバイスをサ ポートしています。そのためカーネルサイズが非常に大きくなり、 2HCディスクに入り切らないため、1.44MBフォーマットのフロッピー を使用します。 旧98(FA/FX/FS以前の機種)では、kco121.fsを使用します。kco121.fs は、これらのサポートコードを抜いたカーネルがインストールされる ため、2HCフォーマットを使用します。この点に注意して下さい。 2. NetBSD/pc98のインストール手順 2.1 NetBSD領域の確保 まず、NetBSDとして使う領域をMS-DOS 上のFORMAT.EXEの「領域確保」 を用いて、確保してください。DOS 用に領域を確保するのと全く同じ要 領で行ってください。この作業を怠ると、NetBSD/pc98は正常にイン ストールされません。 2.2 カーネルコピーディスクとインストールディスクの作成 (1) MS-DOS上からインストールディスクを作成する場合 NetBSD/pc98のインストールの前に、準備を整えましょう。まず、 フロッピィーディスクを3枚用意してください。 boot121.fs, inst121は2HC フォーマットですので、次の手順でフォーマットして下さい。 format ドライブ名: /5 最近のPC98の場合(A-MATE, FELLOW以降の機種が該当します)は IDEドライブやPCIといったさまざまな機能をサポートするため、 カーネルサイズが大きくなっています。kc121.fsは1.44MBフォー マットですので、3枚目は format ドライブ名: /4 としてフォーマットして下さい。旧98の場合は、kco121.fsを使用 するため1,2枚目と同様な手順でフォーマットして下さい。 次に、インストール作業に必要な、カーネルコピーディスクと インストールディスクを作成します。それぞれのディスクイメー ジをファイルにして、圧縮しています。ファイル名は、boot121.fs inst121.fsおよびkc121.fs(新98の場合)、kco121.fs(旧98の場合) です。 MS-DOS上でインストールフロッピーを作成する場合は、まずハード ディスク上にこれらのファイルをコピーします。続いてrawrite.exe でboot121.fs, kc121.fs(kco121.fs), inst121.fsをそれぞれ書 き込みます。フロッピーディスクをドライブに挿入し、"rawrite" と 実行した後、イメージ名及びフロッピーディスク番号を入力して下さ い。すると書き込みが始まります。無事書き込みが終了したら、 1枚目には、"boot disk" 2枚目には、"install disk" 3枚目には、"kernel copy disk" と書いたラベルを貼っておきましょう。 (2) FreeBSD(98)やNetBSD/pc98などからインストールする場合 2HCフォーマット済のフロッピーディスクを用意してドライブに 挿入した後、次のような手順でイメージファイルを書き込んで下さい。 # cat boot121.fgz | gzip -dc | dd of=/dev/rfd0.1200 bs=15k count=80 # cat inst121.fgz | gzip -dc | dd of=/dev/rfd0.1200 bs=15k count=80 GENERICカーネルとして、GENERIC98を使用する場合は、1.44MBフォー マット済のフロッピーディスクを用意してドライブに挿入した後、 # cat kc121.fgz | gzip -dc | dd of=/dev/rfd0.1440 bs=18k count=80 を実行して下さい。GENOLD98を使用する場合は、 # cat kco121.fgz | gzip -dc | dd of=/dev/rfd0.1200 bs=15k count=80 以上で、NetBSD/pc98をインストールするための準備が整いました。 2.3 インストールディスクをハードディスクにコピーする "boot disk"をドライブに挿入し、コンピュータをリセットして下さ い。しばらくするとフロッピーディスクにアクセスし、ブートシーケン スが始まります。例えば、 >> NetBSD/pc98 BOOT: 640/????? k [1.28] use sd(0,a)/netbsd to boot sd0 Boot: [[[fd(?,a)]/netbsd] [-adrs]] :- のように表示されます。この表示でリターンキーを押すか、しばらく (約2、3秒程)待つと棒がクルクルとまわりはじめ、カーネルを読 み込み、次の一行で表示が止まります。 Insert file system floppy ここで、"boot disk"をドライブから抜き取り、"install disk"を挿入 し、何かキーを押して下さい。カーネルが立ち上がり、様々なメッセー ジが表示されます。例えば、次の通りです。 Copyright (c) 1994, 1995, 1996 NetBSD/pc98 core team NetBSD/pc98: base version = NetBSD 1.2.1 patch level = 000 NetBSD 1.2.1 (INSTALL98) #1: Sun Apr 28 13:39:38 JST 1996 karl@venus:/usr/src/sys/arch/i386/compile/INSTALL98 CPU: i486DX (GenuineIntel 486-class CPU) real mem = 18481152(0x11a0000) avail mem = 15912960(0xf2d000) 2nd mem hole = 0(0x0) using 251 buffers containing 1028096 bytes of memory mainbus0 (root) isa0 at mainbus0 pisa0 at mainbus0 : : これらのメッセージは、どのようなデバイスを認識しているかを表し ており、例えば特定のデバイスが動作しない場合、カーネルがどのよ うに認識しているかを調べる手がかりとなります。もし、動作させた いデバイスがうまく認識しない場合、このメッセージを読み取って報 告する事によって、他の人がアドバイスを与える場合に役立つでしょ う。また、"install disk"のカーネルは、NetBSD/pc98で使用できる ほとんど全てのデバイスをチェックするため、起動までに非常に時間 がかかります。何も動作していないようでも焦らずに、5分程度は 待ってみて下さい。多くの場合はデバイスの調査中のため、正常に メッセージが出てくると思います。 何回かフロッピーディスクにアクセスした後、 Enter pathname of shell or RETURN for sh: と出ますので、ここではリターンキーを押して下さい。 NetBSD/pc98インストールプログラムへようこそ! と表示され、インストールプログラムが起動します。注意事項等が 表示された後に、 インストールを続けますか? [n] と聞かれます。ここで、インストールを続ける場合は、"y"と入力し て下さい。"n"又はリターンキーを入力すると、インストールを止め ることができます。"y"と答えたた場合、 このインストールプログラムが起動されたデバイスを答えてください. 注意: インストール先のデバイスの事ではありません. 通常は floppy disk (fd0, fd1, ...) から起動しているはずです. このインストールプログラムの起動デバイスは? [fd0] と聞かれます。ここではインストールプログラムを起動したデバイスを答えます。 例えば、 floppy drive a: で起動したなら fd0 floppy drive b: で起動したなら fd1 外付け drive c: で起動したなら fd2 外付け drive d: で起動したなら fd3 です。通常は、デフォルトの答えが正しく用意されているはずですから、 それを確認してリターンキイを押します。 次に、起動時に認識された全てのハードディスクの情報(geometry)が device bsize sectors heads cyls total /dev/wd0d 512 17 8 3446 468656 のように表示されます。ここで、画面に出ているメッセージの中から、 インストール先ハードディスクのシリンダ数(cyls)、ヘッド数(heads)、 セクタ数(sectors)をメモして下さい。メモし終えたら、リターンキー を押してください。 NetBSD は、IDE 又は SCSI インターフェースのハードディスクへ インストール出来ます。 インストール先のインターフェース(IDE/SCSI)を答えてください。? [SCSI] と聞かれます。SCSI HDDにインストールする時はリターンキーを、 IDE HDDにインストールする時はIDE と入力して下さい。なお、小文 字でも構いません。 SCSI、IDE それぞれについて、インストールプログラムによって インストール可能なドライブ名を表示した後、 どのドライブにインストールしますか? [wd0] と聞かれます。ここで、インストールしたいドライブ名を入力して 下さい。SCSI なら一台目から sd0, sd1, sd2 となり IDE なら wd0 となります。 NetBSD用として使う領域を指定すると、 ディスクラベル名を何にしますか? [mywd0] と聞かれます。。リターンキーを押して標準のものを使うか、何でも かまいませんので単語を1つ入力して下さい。 次からの質問には、ハードディスクのシリンダ数などをメモした 紙を参照して下さい。 1セクタ当たりのバイト数は? [512] これは何も考えずにリターンキーを押して下さい。 1ヘッド当たりのセクタ数は? [17] 表示されるデフォルト値と、メモしたセクタ数(sectors)が同じである事を 確認してください。同じであればリターンを、違っていれば (通常はありえませんが)正しい値を入力してください。 同様にヘッド数(heads)、 シリンダ数(cyls)を聞かれます。 セクタ数と同様に処理してください。 1シリンダ当たりのヘッド数は? [8] ディスクのシリンダ数は? [3446] 続いて インストール領域の確保の方法として、以下の2つがあります。 1) ドライブ全体をNetBSD領域として使用します。 既存のDOS領域は全て破壊され、IPLはNetBSDのBoot Loaderに 置き換えられます。 2) 既存のDOS領域の1つをNetBSD領域として使用します。 既存のDOS領域及びIPLを破棄し、ドライブ全体を使用しますか? [N] と聞かれます。通常のインストールではデフォルト[N]ですから、そのまま リターンキイを押します。 さて、前の質問でデフォルトを選んだ場合、disk内のDOSパーティション から、NetBSDをインストールするDOSパーティションを選びます。 番号 システム名 状 態 From To(cyl) サイズ ブート 1 MS-DOS 5.00 アクティブ 1 76 20MB 可 2 MS-DOS 5.00 アクティブ 77 3522 228MB 可 指定されたパーティションをNetBSDに置き換えます どのパーティション番号ですか? というように表示されます。ここで、NetBSD用として使う領域番号 を入力して下さい。ここで選択した領域のFromの数値とToの数値を 書き留めておきましょう。あとで必要になります。もし、番号の入 力を間違えたら、次の質問のところでCTRL-Cを押し、プロンプトで dospart -r ドライブ名 と入力し、パーティション番号には先程の間違えた番号を入力して 下さい。これで、MS-DOS用に戻すことができます。 NetBSD領域の選択が終了したら、その領域の開始シリンダと終了 シリンダの確認をします。また、ここで、自分の希望する値に変更する 事も可能です。 NetBSD領域の開始シリンダは [77] この問いには、領域の From の数値とデフォルト値が同じである事を 確認します。正しければ、リターンキイを押します。 NetBSD領域の終了シリンダは?[3522] この問いには、領域の To の数値とデフォルト値が同じである事を 確認します。正しければ、リターンキイを押します。 また、ここで、終了シリンダの値を変更したい場合は希望の数値を 入力します。 それぞれの値の確認後、NetBSD領域のシリンダ数やシリン ダサイズ、容量が表示されます。この値をメモしておくと、 次からの質問に容易に答えられます。 次に、パーティションサイズを指定する単位としてMバイ トを使うかシリンダを使うか選択しなければなりません。 どの単位を使いますか? [mbytes] この質問はどちらで答えてもかまいません。しかし、リターン キーを押してMバイト単位を指定したほうが、ややこしい計算 をする必要が無いので、質問に楽に答えられます。以下はMバ イト単位を使うものとして説明します。 また、あなたがIDE diskにインストールする場合は、 インストール先の媒体が IDE ハードディスクの場合は、 インストール先の領域を全て使いきらず、不良セクター交替用(bad144)に 領域の最後の1シリンダーを未使用の状態で残す事を推奨します。 不良セクター交替ゾーンを確保しますか? [y] と聞かれます。通常デフォルトのyを選択します。 さて、 ルートパーティションのサイズは? (mbytes で指定) とルートパーティションのサイズを聞かれます。割り当てるサ イズをMバイトで入力して下さい。例えば、40Mバイト割り 当てる場合は、40と入力します。なお、シリンダ単位で入力 するときは、Mバイト単位からシリンダ数への換算式を使うと 便利です。 シリンダ数 = 割り当てるサイズ(MB) × 1024 × 2 ÷ シリンダサイズ 続いて、残空き容量の表示のあと、スワップパーティションの サイズを聞かれます。スワップパーティションのサイズは、標 準的な値として実メモリ量の約 2.5倍と言われているようです が、NetBSDなどでは実メモリ+仮想メモリの量がそのマシンで 使用できるメモリ量となりますので、用途に応じて決定して下 さい。 残りのパーティーションは自由に設定して構いませんが、 ただし、/usr パーティションを含めて4つまでです。/usr パー ティションには大部分のコマンドやマニュアルページなどがイン ストールされるので、なるべく大きなサイズを割り当てる事を お勧めします。例えば/usrに150MBを割り当てる時は次のように 指定します。 この部分の作業は次のように表示されます。 ドライブのNetBSD部分の残りは ???? mbytesです。 次のパーティションのサイズは? (mbytesで指定) 150 マウント先は? /usr ハードディスクのパーティション分けが終ると、 NetBSDをハードディスクにインストールしてもよろしいですか? (yes/no) と最後の決断を迫られます。ここで"no"と答えればハードディ スクの内容を壊すことなくインストールを止められます。"yes" と入力すると、disklabel を書き込み、ファイルシステムを 初期化して、インストールディスクをハードディスクにコピー します。 一連の作業が終ると、インストールプログラムは自動的に終 了し、システムを止める作業に入ります。 コマンドプロンプトに戻ったら、haltと入力してマシンを停止します。   The operating system has halted. Please press any key to reboot.   と表示され完全にシステムが止まったら、"install disk"を "boot disk"に差し替え、何かキーを押して下さい。マシンがリブー トします。 2.4 カーネルをハードディスクにコピーする "boot disk"からブートさせます。2.3 の時と同様なメッセージ が表示された後、 Insert file system floppy という表示のところでとまります。ここでは"kernel copy disk"を 挿入して下さい。カーネルが立ち上がって様々なメッセージが表示 されます。しばらくすると、 Enter pathname of shell or RETURN for sh: と出ますので、リターンキーを押して下さい。すると説明が表示さ れますので、説明通りに"copy_kernel"コマンドを実行して下さい。 # copy_kernel と実行すると、ちょっとした説明の後に どのディスクパーティションにカーネルをコピーしますか? (例えば, "sd0a", "wd0a" など) パーティションは? [sd0a] と聞かれます。ここで、インストールディスクで指定したイン ストール先のドライブ名の後ろにa を付けたものを入力して下 さい。例えば、インストールディスクでwd0 と指定した場合は、 wd0aになります。 コピー先を指定すると、例えばwd0aにコピーする場合は wd0aに新しいカーネルをコピーしてよろしいですか? [n] とコピーしていいかどうかきいてきますので、よければ"y"と 入力して下さい。 "y"と入力するとファイルシステムの検査を行い、カーネル をコピーして終了します。正常にコピーが終了したら、自動 的にシステムの停止動作に入ります。システムが止まったら、 フロッピーディスクを抜き、何かキーを押してリブートさせ て下さい。今度はハードディスクから立ち上げます。 なお、異常終了したり、強制終了させた場合は、プロンプト の状態で、"halt"と入力してシステムを止めてください。シス テムが止まったら、何かキーを押してリブートさせるなりして ください。 2.5 ディストリビューションセットのインストール ハードディスクから立ち上げようとすると、多くの人の場合 はハードディスクブートメニューが表示されると思います。こ こで、NetBSDを仮インストールしたパーティーションを選択して ブートしましょう。 フロッピーからブートさせた時と同じように、 >> NetBSD/pc98 BOOT: 640/????? k [1.28] use sd(0,a)/netbsd to boot sd0 Boot: [[[fd(?,a)]/netbsd] [-adrs]] :- と表示が出ますので、リターンキーを押すか、そのまま待機して 下さい。すると、フロッピーブートの時と違って、すぐにカーネ ルが立ち上がります。しばらくして magic0 と表示されます。もし、GENERIC98もしくはGENOLD98で定義されて いるirq, drqの値を用いたデバイスを使用していない場合は、ここで リターンキーを押して下さい。すると、 devices reconfiguration (hit CR): devname(ex. bs0) or exit: と表示されます。ここで、デバイス名、コンフィギュレーション パラメータを入力します。 例えば、LGY-98のirqはデフォルトがirq 6(INT2)ですが、これを irq 5に変更する例を示します。 devices reconfiguration (hit CR): devname(ex. bs0) or exit: ed0 (1) ed0: port=0xd8 maddr=0xffffffff msize=0x0 irq=0x6 drq=0xffffffff dvcfg=0x200000 port(0xd8):0xd0 (2) maddr(0xffffffff): (3) msize(0x0): (4) irq(0x6): 0x5 (5) drq(0xffffffff): (6) dvcfg(0x200000): 0x400000 (7) ed0: port=0xd8 maddr=0xffffffff msize=0x0 irq=0x5 drq=0xffffffff dvcfg=0x400000 devname(ex. bs0) or exit:exit(8) (1) LGY-98のデバイスはedですので、ed0と入力して下さい。 (2) LGY-98のベースアドレスは0xd0ですので、0xd0と入力して下さい。 (3),(4) 共有メモリは使用していないので、リターンキーだけ入力して下さい。 (5) irqを5に設定するので、0x5と入力して下さい。 (6) drqは使用しないので、リターンキーだけ入力して下さい。 (7) ed0に渡すflagsは0x400000ですので、0x400000と入力して下さい。 (8) 設定が終ったので、exitと入力して下さい。 なお、使用できるflags(dvcfg)の値は「config.txt」を参照して下さい。 しばらくすると、 Enter pathname of shell or RETURN for sh: と出ますので、リターンキーを押して下さい。ファイルシステムの検査、 ファイルシステムのマウントを行い、 NetBSDのディストリビューションセットをインストールするた めにインストールプログラムの指示に従って下さい。 と表示され、プロンプトが左端に表示された状態になります。 これで、ディストリビューションセットをインストールできる 状態になりました。インストール元のメディアによって、方法 が若干異なりますので、該当する部分に沿ってインストールし て下さい。 (1) フロッピーディスクの場合 まず、ディストリビューションセットのアーカイブを一時保 存するディレクトリを設定します。プロンプトの状態で、"Tmp_dir" と入力して下さい。すると、 インストールファイルが存在するディレクトリ又は、インストール ファイルを一時保存するディレクトリ名は? [/usr/distrib] と聞かれます。/usr下のディレクトリであれば何でもかまいません。 /usr下に存在しないディレクトリでも構いません。リターンキーを押 すと標準の/usr/distribが使われます。 次に、"Load_fd"と入力して下さい。すると、 どのフロッピードライブから読み込みますか?('0' or '1')? [1] と質問されます。インストールに使用するフロッピードライブの番号を 入力して、リターンキーを押して下さい。なお、NOTEタイプや、1ドラ イブしか内蔵されていない機種では0を選択して下さい。 読み込むドライブを指定すると、 フロッピーを挿入して下さい。(CTRL-Cで終了、リターンで読み込み): と表示されます。ここで、ディストリビューションセットの入ったフロッ ピーをドライブに入れリターンキーを押して下さい。フロッピーからファ イルの読み込みをはじめます。終る時は、表示のところでCTRL-Cを入力し て下さい。 なお、ディストリビューションセットから最低限baseで始まるファイル と、etc で始まるファイルは必ず読み込んで下さい。それ以外は、ハード ディスクの空き容量と相談して下さい。 ディストリビューションセットの読み込みを終えたら、いくつかある セットを展開します。次のように入力して下さい。 Extract base121 (base121.?? の場合) Extract etc121 (etc121.?? の場合) これ以外も同様です。すると、 展開しているファイル名を表示しますか?[n] と質問されます。ファイル名を表示する場合は、"y"を入力して下さい。 この質問に答えると、展開をはじめます。ファイル名を表示するように した場合は、展開と同時にファイル名も表示されます。 v ハードディスクに空きがない場合は、base12.?? を読み込んで展開し た後、 rm -f base121.?? として、読み込んだファイルを削除し、次のものをbase121.?? と同じ手 順で繰り返せば、展開できます。 次に、98依存バイナリをインストールします。98依存バイナリの入っ たフロッピーをドライブに挿入し、 Tmp_dir Load_fd と入力して、ファイルをハードディスクに読み込んで下さい。読み込ん だら、プロンプトで、 cat base1211.?? | gunzip | (cd /; tar --unlink -xvpf -) と入力して下さい。ファイル名を表示しながら、展開します。 展開し終ったら、3. に進んで下さい。 (2) CD-ROMからインストールする場合 まず、CD-ROMをマウントします。プロンプトで、 mount -rt cd9660 /dev/cd0a /mnt (SCSI CD-ROMの場合) mount -rt cd9660 /dev/wcd0a /mnt (ATAPI CD-ROMの場合) と入力して下さい。次に、ディストリビューションセットが存在する ディレクトリを設定します。プロンプトで、 Tmp_dir と入力して下さい。すると、 インストールファイルが存在するディレクトリ又は、インストール ファイルを一時保存するディレクトリ名は? [/usr/distrib] と表示されます。これには、base121 や etc121 などディストリビュー ションセットが入っているディレクトリを入力して下さい。もし、間 違えるとエラーになります。その時は Set_tmp_dir と入力してやり直して下さい。設定が終ったら、 Tmp_dir とし、 Extract base121 (base121.?? の場合) Extract etc121 (etc121.?? の場合) などと Extract の後にその時のセット名を入力して下さい。すると、 展開しているファイル名を表示しますか? [n] と質問されます。ファイル名を表示する場合は"y"を入力して下さい。 この質問に答えると、展開をはじめます。ファイル名を表示するよう にした場合は、展開と同時にファイル名も表示されます。 次のディストリビューションセットを展開するには Set_tmp_dir から行ってください。また、最低限base121.?? とetc121.??だけはイン ストールして下さい。 次に、98依存バイナリをインストールします。まず、 Set_tmp_dir と入力し、/usr下のディレクトリを設定して下さい。設定するディレ クトリは、存在しないものでもかまいません。次に、 Tmp_dir と入力し、設定したディレクトリに移動します。そして、 Load_fd と入力し、98依存バイナリファイルをハードディスク上に読み込んで 下さい。読み込んだら、プロンプトで cat base1211.?? | gunzip | (cd /; tar --unlink -xvpf -) と入力して下さい。ファイル名を表示しながら、展開します。 (3) networkを利用したインストール コンピュータにネットワークカードを接続していて、そのカードが NetBSD/pc98のGENERICカーネルで認識できる物である場合は、ネット ワーク経由でインストールする事も出来ます。例えば、MELCO LGY-98 であれば # ifconfig ed0 192.168.1.4 netmask 0xffffff00 と実行する事によって、ネットワークインターフェイスが起動します。 この後、ftp コマンドを利用して必要となるバイナリパッケージを転送 し、Tmp_dirコマンド及びExtract コマンドを利用してインストールを 行って下さい。 3. 簡単なシステム設定 base1211, etc1211, base1211のインストールが終ったら、マシンのセット アップを行います。プロンプトで、"Configure" と入力して下さい。 説明の後に、 マシンのホスト名は? [unknown.host.domain] と聞かれますので、コンピュータのホスト名を入力して下さい。 マシンのドメイン名は (NISドメイン名ではありません)? [host.domain] と聞かれますので、ドメイン名が正しければリターンキーを押して 下さい。正しくなければ、正しいドメイン名を入力して下さい。 イーサネットインターフェースがありますか? [y] と聞かれますので、NetBSD/pc98で対応するネットワークカードを接続 していている場合はリターンキーを、接続していない場合は"n"を入力 して下さい。 インターフェース名は何ですか (例 ed0, ep0, etc)? ここでは、例えばMELCO LGY-98などであればed0と入力して下さい。 このインターフェースのホスト名は何ですか? [unknown.host.domain] と出ます。通常はそのままリターンキーを押して構いません。 インターフェース ??? の IP アドレスは? と出るので、IPアドレスを入力して下さい。 インターフェースは netmask を持ちますか? [n] と出るので、もし使用しているネットワークがサブネットを用いて いる場合は、"y"と入力して下さい。すると、 ネットマスクは? [0xffffff00] と出るので、正しいネットマスクを入力して下さい。 他に必要なフラグはありますか? [n] と出るので、指定するフラグがある場合は"y"を入力して下さい。 どんなフラグですか? [link0] と出るので、入力して下さい。 この後、デバイスノードの作成を行い、プロンプトの状態に戻ります。 最後に # reboot と入力して、システムを止めリブートさせて下さい。 以上でNetBSD/pc98のインストールは終りました。次回からPC98上 で心おきなくNetBSDの世界を楽しめます。 4. ディストリビューションを後からインストールする 2.5 で導入しなかったディストリビューションセットは、 mount -t msdos /dev/fd?a /mnt; cp -rp /mnt/* ./; umount /mnt を繰り返してハードディスク上に読み込むか、 mount -rt cd9660 /dev/cd0a /mnt cd ディストリビューションセットのあるディレクトリ などを実行し、 cat text121.?? | gunzip | (cd /; tar --unlink -xvpf -) で展開できます。 NetBSD/pc98 core team 連絡先 E-Mail:netbsd-98@njk.co.jp