「Dialup IP接続入門
〜インターネットへの接続とWWW」
勉強会資料
1995年10月7日
新潟インターネット研究会
Contents
- 0) このコースでは…
- 1) ダイアルアップ IP 接続に必要なもの
- 2) ダイアルアップ IP 接続の基礎知識
- 3) ソフトウェアのインストール
- WinZip のインストール
- Trumpet Winsock のインストール
- Win32S のインストール
- Netsccape Navigatorのインストール
- 4) 謝辞
0:このコースでは…
新潟インターネット研究会主催の勉強会、「Dialup IP 接続入門」にご参加くださ
いましてありがとうございます。このコースでは、いま話題のインターネットへのダ
イアルアップIP接続の方法を、実際にプロバイダへの接続を体験しながら、WWW
によるネットサーフィンのために必要な、ソフトウェアのインストール、設定方法な
どを学んでいただきます。
接続先のプロバイダは、ラピドシステムズのリムネットと、スペック(株)です。
いずれも県内にアクセスポイントを持ち、個人向けの比較的安価なサービスを提供し
ています。今回は、両プロバイダからこの勉強会のために特別にデモ用のユーザID
を御提供いただきましたので、ご参加の皆さんは無料でダイアルアップIP接続によ
るネットサーフィンを体験できます。
また、今回お配りするフロッピーの中には、接続に必要なフリーソフト・シェアウ
ェアが入っておりますので、プロバイダへの申し込みは必要ですが、後ほどこのフロ
ッピーと説明書を見ながら自宅からの接続も簡単にできるようになっております。
今回の勉強会によって、一人でも多くの方がインターネットの楽しさを体験されま
すことを願っております。
1:ダイアルアップIP接続に必要なもの
電話回線を使ってダイアルアップIPでインターネットに接続するには、次のよう
なものが必要です。
- パソコン本体:
Windowsが走るマシンが必要です。Windowsマシンは、PC98、DOS/Vどちらでもよい
ですが、フリーソフトを中心に使う場合には、DOS/V系の方が何かと問題が起きにく
いようです。しかしPC98でも特に問題はなく、実際に今回の会場で使っているマシン
はPC98です(^^)。 Windowsでの設定方法はPC98でもDOS/Vでも全く同じです。
なお、Macintoshももちろん使えます。むしろインターネットへの接続はWindowsよ
りも簡単なくらいです。Macintoshについては、今回の勉強会では解説いたしません
が、御要望が多ければマックを対象とした勉強会の開催も検討します。
- モデム:
お使いのパソコンに接続可能なモデムであれば何でもいいのですが、実際には最低
でも14.4Kbps、できれば28.8kbpsの速度のモデムが必要です。これ以上遅い(古い)
モデムでは、WWWなどのサービスでは画像を表示する速度が遅すぎるため、イライ
ラして精神衛生上良くありません(^^)。
- ソフトウェア:
パソコンとモデムのほかに、ダイアルアップIP接続のためには、「TCP/IPソフト
」と呼ばれるソフトウェアが必要です。これには大きく分けて、フリーウェア・シェ
アウェアのものと、製品として市販されているものがあります。また、製品の評価版
として、使用できる期限や機能が限定された形で配布されているものもあります。今
回の勉強会では、この場で実習したことを御自宅に持ち帰っていただき、同じソフト
ウェアを使って接続できるようにという趣旨から、フリーウェア・シェアウェアや製
品の評価版を使っています。
一般に、フリーウェア・シェアウェアのものよりも市販の製品の方が、メーカーが
動作保証をしている分、動作が確実で、インストールも簡単になっている場合が多い
のですが、フリーウェア・シェアウェアであっても、ちょっとしたコツさえのみこめ
ば、インストールもさほど難しくはありません。実習では、「Trumpet Winsock」と
呼ばれるシェアウェアと、「NetScape Navigator」の期間限定の評価版を使います。
また、TCP/IPソフトとは別ですが、普通配布されているフリーウェア・シェアウェ
アは「アーカイバ」と呼ばれるソフトで「圧縮」されていることが多いので、パソコ
ンにインストールするためにはこのアーカイバを逆に使って圧縮を解いてやらなけれ
ばなりません。このために、「WinZip」と呼ばれるアーカイバを使います。この「WinZip」
自体もシェアウェアです。
- インターネットサービスプロバイダとの契約:
ダイアルアップIP接続では、プロバイダのコンピュータに電話をかけ、そこから
インターネットに一時的に接続をします。そのためには、パソコン通信などと同じよ
うに、プロバイダに申し込みをして、接続のためのユーザIDとパスワードを発行し
てもらわなければなりません。さらに、接続先(アクセスポイント)の電話番号や、
ネームサーバ、メールサーバ、POPサーバなどのIPアドレス、電子メールのログ
イン名とパスワードなどが必要になります。これらの必要事項は契約後、プロバイダ
から設定方法の説明と一緒に受け取ります。
今回の勉強会では、新潟県内にアクセスポイントを持つプロバイダであるリムネッ
トとスペックから一時的にデモ用のユーザIDとパスワードを発行してもらっていま
す。各プロバイダへの接続方法は後ほど詳しく説明します。
2:ダイアルアップ IP 接続の基礎知識
ダイアルアップIP接続は、プロバイダに電話をかけてインターネットに接続する
という意味ではパソコン通信と良く似ていますが、いろいろな点で異なっています。
最も大きく違うところは、プロバイダとパソコンの間の通信が、「TCP/IP」と呼ばれ
るプロトコル(通信の約束事)に従って行われるということでしょう。このため、パ
ソコン側にはTCP/IPで通信を行うための専用のソフトウェアをインストールする必要
があります。これがいわゆる「TCP/IPソフト」です。
TCP/IPソフトは、パソコン通信で使う通信ソフトのように、1枚岩の構造ではなく
、3つのレベルの階層構造になっていて、それぞれのレベルでは同じ機能を持つほか
のソフトと入れ替えて使うことが可能です。この3つのレベルとは、ユーザに近いレ
ベル(上位のレベル)から順に、
- アプリケーションのレベル
- プロトコルスタックのレベル
- PPPドライバのレベル
となっています。この様子を図にあらわすと次のようになります。
アプリケーション | WWW, mail, telnet ftp など |
プロトコルスタック | Trumpet Winsock など |
PPPドライバ | Trumpetに含まれる |
シリアルポート | パソコンのハードウェアの一部 |
今回使用するソフトウェアのうち、Trumpet Winsockは、プロトコルスタックのレ
ベルのソフトですが、中にPPPドライバの機能を含んでいるため、この両方の範囲
をカバーしていることになります。また、NetScape Navigatorは、インターネットで
もっとも人気のあるWWWサービスを利用するために必要なソフトですが、これはア
プリケーションのレベルに属します。WWWサービスを利用するためのソフトは一般的
に、WWWクライアント、あるいはWebブラウザなどと呼ばれています。アプリケーショ
ンのレベルに属するソフトとしては、WWWクライアントのほかに、電子メール、ftp、
telnetなどのソフトがありますが、これらは共通のプロトコルスタックの上で同時に
複数動かし、プロバイダの先の複数の接続先でいろいろな種類のサービスを受けるこ
とが可能です。
NetScape Navigatorや他のWWWクライアントでは、インターネット上に存在するW
WWのページを指定するために、URLと呼ばれる表記を使います。これは例えば次の
ようなものです。
http://www.ntt.jp/index-j.html
ここで、先頭の「http:」は、WWWのページを見に行くために、httpと呼ばれるプロ
トコルを使うことを表します。(TCP/IPもプロトコルですが、ここで言うプロトコル
とはTCP/IP上でのさらに細かい通信の約束事の区別です。)
次の「//」は、その次の「www.ntt.jp」がドメイン名であることを表します。ド
メイン名とは、インターネット上でつけられたコンピュータを区別するための名前だ
と考えて下さい。IPアドレスもコンピュータを区別するための番号ですが、番号は
人間にとって覚えにくいので、さらにドメイン名という覚えやすい名前がついている
わけです。
次の「/」以下は、今ドメイン名で指定したコンピュータの中の、見たいページの
ファイル名の指定です。通常、WWWで見ることのできる最初のページ(ホームページ
)は、「index.html」または「index-j.html」などといった名前になっていることが
多いようです。
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