WIDE/PhoneShellについては、残念ながらIAAシステムには不適切であると言わざるを得ない、と思われた。
一番の問題は、災害時にここまで時間をかけて登録できるのか、ということである。
訓練では、間違いがなくスムースに登録できる前提で、登録時間が約4分かかっている。
これはかかり過ぎである。
訓練時の入力方法では、災害時に役に立つか、と言われると残念ながら否定せざるを得ない。
また、入力の各項目について、復唱してしまうような設定にも時間がかかってしまう要因がある。
最終確認だけが必要であろう。
以下に、各項目について述べる。
トーン信号を用いて登録する方法では、どうしても時間がかかりがちであった。
ガイダンスを聞く時間は入力時間よりもかかってしまう。
「*」でスキップする機能などは災害時には利用できないと考えるべきで、極力簡単にすべきであろう。
この「訂正」には、2つの意味が考えられた。
ひとつは「状態が変わったことによる訂正」で、例えば本人の状態が「重傷」から「軽傷」になったことである。
もうひとつは、「入力ミス」による訂正である。
このふたつの違いは、「履歴情報が意味を持つか否か」にあると思われる。
状態の変化は、時刻記録によって管理される必要があり、前の情報も必要となるであろう。
入力ミスの場合は、履歴情報は100%間違いであるので、履歴情報はむしろあってはならない、といえる。
検索IDの説明が不足していた感がある。
また、出力はファクスに限られていることが、ガイダンスを聞き終わってからでないとわからないのは問題であった。
検索については、ブラウザに限ると強く感じた。
1998年1月16日、日本電信電話株式会社(NTT)では、「災害用伝言ダイヤル」のサービスが3月31日から提供可能になる旨の発表を行った。
これにより、災害時に百万件までの伝言サービスが可能になる。
電話の利点は、ファクスや電子メールなどに比べて、単位時間あたりに伝達できる情報量が多いことである。
逆に、同じ時間で多人数の登録が可能になる。
電話から本来の「話す」という目的を取って、ファクスや電子メールなどの入力端末の代わりとして電話を利用するのも価値があると思われる。
しかし、電話が本来持っている特徴を最大限に活用するために、どういったインタフェースどうしのゲートウェイを考えればよいのかという研究や訓練も必要であろう。